予防と対策

ヨーグルトは「ビフィズス菌入り」を選ぼう

森田 英利

ヨーグルトは「ビフィズス菌入り」を選ぼう

「ビフィズス菌」は加齢とともに減少する

日本人の大腸内に多くすんでいるビフィズス菌ですが、最初からビフィズス菌を持った状態で生まれてくるわけではありません。無菌状態の胎内で育った赤ちゃんは、生後3〜4日目ごろから腸内にビフィズス菌が大増殖しはじめます。生後5日目頃には腸内細菌の大半を占めるようになり、ビフィズス菌最優勢の状態が離乳期まで続きます。そして大人と同じ食事を摂るようになると、その他の常在菌が徐々に増え、ビフィズス菌は全体の1〜2割程度に落ち着くのです。

やがて成年期を迎え60代を過ぎるとビフィズス菌は徐々に減っていき、これまでの善玉菌優勢の状態から悪玉菌優勢の状態へと傾きはじめます。老年期になる頃にはビフィズス菌はさらに減り、なんと10人中3人はビフィズス菌がまったくいない状態になってしまいます。 加齢だけでなく、肉食を好む食習慣や精神的なストレスもビフィズス菌減少の一因となるため、若い人でもすでに大腸劣化のリスクに晒されていることを忘れてはいけません。

培養法をもとにした年齢による腸内細菌叢の変化(概念図)
培養法をもとにした年齢による腸内細菌叢の変化(概念図)

出典:光岡知足 腸内細菌雑誌 25:113-124,2011 総説より改編

ヨーグルト=ビフィズス菌入りではない!?

大腸ケアに役立つビフィズス菌を手軽に摂取できる食品として、ヨーグルトを思い浮かべる人は多いでしょう。乳酸菌の入っていないヨーグルトはないのですが、すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではありません。
ヨーグルトは牛乳などを乳酸菌、たとえばサーモフィルス菌とブルガリア菌で発酵させてつくります。その際、ビフィズス菌も加えられるのは一部の商品のみ。ビフィズス菌入りのヨーグルトは普通(乳酸菌のみ)のヨーグルトよりも整腸作用が高いという調査結果も出ていますから、大腸劣化対策としてヨーグルトを食べるなら、ビフィズス菌入りを選んだ方が健康面でおトクだと言えるでしょう。

ヨーグルト=ビフィズス菌ではない!?
普通(乳酸菌のみ)のヨーグルトとビフィズス菌入りヨーグルト摂取による整腸作用の違い
普通のヨーグルトとビフィズス菌入りヨーグルト摂取による整腸作用の違い

出典:Yaeshima et al,Biosci Microflora,1997

ビフィズス菌入りヨーグルトの「見分け方」と「食べ方のコツ」

ヨーグルトにビフィズス菌が入っているかどうかは、パッケージを見ればわかります。お店には機能性ヨーグルトと呼ばれる商品がたくさん並んでいますが、「ビフィズス菌」と書かれているものは「ビフィズス菌入り」のヨーグルトです。

ビフィズス菌入りヨーグルトの「見分け方」と「食べ方のコツ」

また、ヨーグルトを食べる際には、大腸内でビフィズス菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖も一緒に食べるのがおすすめです。食物繊維が豊富な果物や豆類、いも類などをトッピングしたり、オリゴ糖を含むはちみつをかけたりバナナを添えるなど、お好みでアレンジするのもよいでしょう。
食べるタイミングとしては、胃酸や胆汁酸の影響を受けにくい食後が効果的です。そして外から摂った細菌(プロバイオティクス)は数日以内に排出されてしまうため毎日、摂取することも大切なポイントです。

「ビフィズス菌」と書かれていても、ビフィズス菌とはビフィドバクテリウム属に分類されている菌の総称で、その種類(菌種)はたくさんあります。自分に合っているかどうかを見極めるには、同じヨーグルトを2〜3週間食べ続けてみることです。排便回数が増えたり、排便のリズムが整ったりというような変化がみられない場合は、他のビフィズス菌入りヨーグルトを試してみましょう。腸内環境は一人ひとり異なりますから、自分の体に合ったヨーグルトを見つけることは大腸劣化対策の1つとして重要なステップです。

せっかく食するヨーグルトですので、その恩恵を最大限に活かすために、パッケージをしっかりチェックして、その良さを実感して、大腸の腸内環境をよりよい状態に保ちましょう。

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