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現代日本人の約6割が
「ゾンビ腸」化!?
日本初の便秘外来を開設した腸のエキスパートである小林弘幸先生によると、近頃「ゾンビ腸」を抱える人が多くなっているといいます。そこで実際に20代~60代男女に調査を行うと、なんと6割以上の方にリスクがあることが分かりました。
[調査概要]
■表 題 : 食生活や健康に関する実態調査
■調査主体:「大腸劣化」対策委員会
■調査期間 : 2023年7月6日(土)~7日(日)
■調査方法 : インターネット調査
■調査対象 : 全国20代~60代 男女1000名
ゾンビ腸とは…
「ゾンビ腸」とは、バランスの悪い食生活やストレスによって、働きが弱まってしまった大腸のことです。「ゾンビ腸」の中では悪玉菌が猛威をふるい、外に出るべき老廃物が腐敗して溜まり、毒素が発生しやすくなります。放っておくと、毒素が血管を通じて全身に回り、さまざまな病気を引き起こしてしまう恐れがあります。これを、ゾンビがうごめいて感染を拡大させるイメージに例えて「ゾンビ腸」と呼んでいます。みなさんが抱える不調も、実は「ゾンビ腸」から来る不“腸”が原因であることが多いと考えられることから、腸内環境を見直すことをおすすめします。
小林弘幸先生監修
「ゾンビ腸チェックリスト」
1.現代の日本人の
腸を脅かす「ゾンビ腸」
全体の6割以上が「ゾンビ腸」のリスクあり
女性が特に多く、40代以降では7割以上、20代でも約半数が「ゾンビ腸」
前述の「ゾンビ腸チェックシート」で「1. 食生活」、「2. 生活習慣」、「3. 便の状態」の各項目で1000名の方にそれぞれ当てはまるものをチェックいただき、合計個数で以下の分類に分けました。
0~5個:ピカピカ腸
6~10個:ゾンビ腸予備軍
11~20個:ゾンビ腸
21~40個:重度のゾンビ腸
「ゾンビ腸予備軍以上」を「ゾンビ腸群」として集計したところ、全体で約6割が「ゾンビ腸」のリスクを抱えていることが分かりました。年齢を重ねるごとに多くなる傾向があり、女性の40代以降では7~8割という結果も出ています。また、一番若い20代においても、女性で約半数が「ゾンビ腸群」であるという結果となりました。20代という若い世代でも腸が不健康である可能性が高まっています。
2.現代人が抱えるカラダの不調とは?
全体の約8割はカラダに
何らかの「不調」を抱えている
不調を抱えるのは女性が多く、30~50代はより多くなる傾向あり
女性20代も「だるさ」「肩こり」「イライラ」などの不調が高い数値に
続いて、「普段、気になっているカラダの不調」について聞いたところ、何らかの不調を抱えている人は約8割という結果となりました。不調を抱えているのは女性の方が多く、特に「だるさ」「肩こり」「イライラ」は、20代女性においても多いことが分かりました。
3.カラダの不調は… ”不腸”が原因!?
「ピカピカ腸」と「ゾンビ腸」を比較すると、
不調の全項目で「ゾンビ腸」の人が85%以上を占める結果に
「もの忘れ」「うつ・気分の落ち込み」「体臭」「頭痛」「風邪を引きやすい」「貧血」「乾燥肌」は9割超え
「ゾンビ腸」の状態では、腸内に溜まっている老廃物が腐敗し、その毒素が腸から血管を通じて全身へと渡り、全身の健康リスクが高まると言われています。ゾンビ腸群の方が現在どのぐらいカラダの不調を抱えているのか、各不調の項目ごとに「ピカピカ腸」の方と比較をしたところ、全ての項目でゾンビ腸群が85%以上を占めるという結果になりました。中でも、「もの忘れ」「うつ・気分の落ち込み」「体臭」「頭痛」「風邪を引きやすい」「貧血」「乾燥肌」はなんと90%を超える結果となっています。このようなことからも、現代の日本人が抱える全身の様々な不調は、ゾンビ腸からくるものではないかと推測できる結果となりました。
4.快便ではないのに「便」に
悩んでいない現代人!?
「便秘や下痢など「快便ではない」人は6割以上もいる中、便通に悩んでいる人は、たった3割
続いて、健康のバロメータとも言われている便通や便の状態についても調査をしました。常に快便ではないと回答したのが6割以上だった一方、便通に悩んでいる人は約3割に留まりました。「快便ではない」ことが日常化し、その状態に慣れてしまっていたり、あまり深刻に考えずにいる人も一定数いるようですが、そういう人こそゾンビ腸の可能性を疑った方がよいかもしれません。
5.お腹の健康のために意識していること
4人中3人は「お腹の健康」を意識した行動をとっている
「お腹の健康」のために意識して行っていることランキング
1位「ヨーグルトを食べる」、2位「水を多く飲む」、3位「納豆を食べる」
普段からお腹の健康のために意識して行っていることを聞いたところ、4人中3人は日常からお腹の健康のために意識的に何らかの行動をしているということがわかりました。トップ3は、1位「ヨーグルトを食べる」、2位「水を多く飲む」、3位「納豆を食べる」という結果となり、中でも「ヨーグルトを食べる」は41%にも昇り、”お腹の健康”や”腸活”の代表選手としてのイメージが圧倒的に強いことが覗えます。
<監修医師コメント>
誰もが「ゾンビ腸」のリスクを抱えている
年齢を重ねると、便秘をはじめとする消化機能の低下が現れますが、ゾンビ腸にも気をつけなければなりません。
調査の結果からも、30代を越えたあたりからゾンビ腸が増える傾向も見られますが、一方で腸へのケアを怠りがちな若年層(20代)でも約半数がゾンビ腸化していることもわかり、現代を生きる日本人の誰もがゾンビ腸のリスクがあるという実態が見えてきました。ゾンビ腸と言っても、腸だけの問題ではありません。気づかないうちに進行して、いつの間にか全身の健康にも悪い影響を与えてしまうことがあるのです。「自分は若いから大丈夫」と思い込まず自分の生活を見直す必要があります。
また、ゾンビ腸とそうでない人との比較では、全ての不調の項目でゾンビ腸の方が85%以上を占めるという結果になり、ゾンビ腸の人ほど不調を抱えていることもわかりました。この結果からもゾンビのウイルスがどんどん感染を拡大させて増殖するように、腸の不調(=不腸)がカラダ全体に伝播し、様々なカラダの不調を引き起こしているのではないかと考えられます。
ゾンビ腸の対策
ゾンビ腸を撃退するには、「食事」「運動」「睡眠」が基本になりますが、ゾンビ腸は大腸の機能が弱まり、大腸内に老廃物が溜まることから始まるため、「食事」が大事なポイントになってきます。 調査の中で「お腹の健康のために意識していること」では、「ヨーグルト」「水を多く飲む」「納豆」が上位に上がり、中でもヨーグルトは4割を超える人が取り入れていました。ヨーグルトは様々な種類のものがお店に並んでいますが、大腸を意識するなら「ビフィズス菌入り」のヨーグルトがおすすめです。ビフィズス菌は大腸で働く有益な菌の代表で、ゾンビ腸対策には欠かせない腸内細菌です。お腹の中にもともと存在するビフィズス菌は、加齢とともに減少していくことが分かっていますが、最近では若い世代でも以前より減っている人が多いと言われます。ヨーグルトにはビフィズス菌が入っていないものも多いため、ビフィズス菌を摂りたいということであればパッケージをよく確認することをおすすめします。
また、運動においては書籍でも様々な方法をご紹介していますが、正しい運動にこだわりすぎる必要はありません。
こだわりすぎるあまり、億劫になって運動をやめてしまっては本末転倒なので、回数が少なくてもできる範囲で「カラダを動かす」ことを習慣化してみてください。
ゾンビ腸は何歳からでも回復可能です。今日からゾンビ腸対策を始め、健康的なカラダを手に入れましょう。
監修:小林 弘幸(順天堂大学医学部教授)
プロフィール:1960年埼玉県生まれ。92年、順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立病院外科勤務を経て順天堂大学医学部小児外科講師・准教授を歴任、現在に至る。各種研究の中で自律神経バランスの重要性に着目し、日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも研究成果が活用されている。自律神経研究の第一人者として著書多数。そのほとんどがベストセラーを記録。YouTube チャンネル「ドクター小林弘幸の健康のカルテ」でも健康に役立つ情報を発信中。
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